お読みいただきありがとうございます。今回は京セラ<6971.T>の株価を分析します。
京セラの積極的な投資:中国からのリスク分散の一環
タイへの大型設備投資の背景
京セラは、スマートフォンや電気自動車のコンデンサー生産能力をタイ中部の工場で増強する見通し。政情の安定性と米中の貿易摩擦を背景に、2023年度から3年間で最大1,000億円の投資を計画している。
グローバルな製造業の動向
村田製作所やメイコーなどの日本企業もアジア圏での新工場設置を進めている。中国での直接投資が減少する中、北米やインドへの投資が増加しており、米国の産業政策や各国の市場状況が背景にある。
京セラ株価に影響を及ぼす可能性のある経済的要因
中国の投資効率の高さ
日本の対中直接投資収益率は、他の地域に比べて非常に高い。このため、多くの日本企業が中国での事業を継続し、投資も一定程度維持している。
専門家の意見
日銀総裁の植田和男は、各国の産業政策や地政学的要因による企業の投資行動が経済の不透明感を高めていると指摘。製造業の拠点分散に関するリスクへの警戒感を示している。
結論
京セラのタイへの設備投資は、グローバルな製造業の動向と合致している。しかし、中国の投資効率の高さや専門家の警戒感など、多くの要因が株価に影響を及ぼす可能性がある。投資家はこれらの要因を踏まえた上で、京セラの株価動向を注視する必要がある。
参考
2023/10/16 日本経済新聞 朝刊 1ページ
2023年10月16日の京セラ<6971.T>
京セラ<6971.T>の相場分析を行います。前営業日の京セラ<6971.T>株価は続落。7427円で取引を終えました。
PERから見る京セラ<6971.T>株価の適切な水準は?
PERとは株価収益率を表します。
私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。
その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。
実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。
次に、PERはEPSとセットで考えます。
EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。
株価=EPS×PERです。
前営業日の京セラ<6971.T>株価のPERとEPSは
- PER: 18.56 倍
- EPS: 400.16 円
でした。
EPSが横這いならば企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。
それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。
さて、PERから下記の基準が考えられます。
- PER: 20 倍: 8003.23276 円 →上値メド(楽観シナリオ)
- PER: 19 倍: 7603.071122 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
- PER: 18 倍: 7202.909484 円 →下値メド(楽観シナリオ)
ボリンジャーバンドから見る株価は?
25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。
このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。
10/13を含め25日間の株価の終値は
- 2023/10/16 7427.00
- 2023/10/13 7531.00
- 2023/10/12 7643.00
- 2023/10/11 7517.00
- 2023/10/10 7461.00
- 2023/10/6 7283.00
- 2023/10/5 7323.00
- 2023/10/4 7175.00
- 2023/10/3 7314.00
- 2023/10/2 7542.00
- 2023/9/29 7587.00
- 2023/9/28 7529.00
- 2023/9/27 7640.00
- 2023/9/26 7655.00
- 2023/9/25 7697.00
- 2023/9/22 7665.00
- 2023/9/21 7677.00
- 2023/9/20 7779.00
- 2023/9/19 7745.00
- 2023/9/15 7650.00
- 2023/9/14 7506.00
- 2023/9/13 7429.00
- 2023/9/12 7457.00
- 2023/9/11 7396.00
- 2023/9/8 7450.00
です。
ここから25SMAと標準偏差を求めます。
- 25SMA: 7,529.80 円
- σ: 149.94 円
以上を用いて-3σ~+3σを求めます。
25SMAに標準偏差の1倍~3倍の値を足したり引いたりするだけです。
- +3σ : 7980 円
- +2σ : 7830 円
- +1σ : 7680 円
- 25SMA : 7530 円
- -1σ : 7380 円
- -2σ : 7230 円
- -3σ : 7080 円
まとめ
- 8003 円 :PER水準で見た場合→PER 20 倍(上限)
- 7980 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
- 7830 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
- 7680 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
- 7603 円 :PER水準で見た場合→PER 19 倍(中央)
- 7530 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
- 7380 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
- 7230 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
- 7203 円 :PER水準で見た場合→PER 18 倍(下限)
- 7080 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。
この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。
※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。
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